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Ⅲ.「鼻づまり」の弊害

これまで「鼻づまり」の弊害について注目されることはほとんどありませんでした。しかし、当院で治療をした後に鼻呼吸を取り戻した子供たちの変化(集中力、運動能力、知的能力の向上、身体の発育、精神の安定など)には目を見張るものがあり、鼻づまりの弊害がいかに大きなものであったかを実感させられます。

慢性鼻炎の多くは、ごく幼い頃から常に「鼻づまり」が続いているため、小児自身が「鼻づまり」を訴えることはまずありません。これは鼻が詰まっていない状態を経験していないので、鼻づまりを抱えていることに気がつかないからです。家族も、その状態が当たり前として放置してしまっている場合がありますが、キレやすい、集中力がない、落ち着きがないなどの症状は「鼻づまり」とくに睡眠中だけにおこる「隠れ鼻づまり」が原因なのかもしれません。「鼻づまり」は治療が必要であり、また治療により改善可能な症状であることをまず理解していただきたいと思います。