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Ⅰ-3.「隠れ鼻づまり」とは?

・鼻炎においては、鼻水、くしゃみ、鼻のかゆみ、「鼻づまり」などの症状がみられますが、「鼻づまり」は他の症状と異なり、 "気づきにくい"、また"気づかれにくい"ことが大きな特徴です。これは一つには、慢性鼻炎にみられる「鼻づまり」は、季節性のアレルギー性鼻炎(花粉症)の「鼻づまり」とは対照的に、徐々に進行してくるためです。また一つには、口呼吸によって代償することができるからです。徐々に進行し、無意識に口呼吸に慣れてしまうと、大人でもかなり悪化するまでは自覚することがありません。また、軽く口を開いて呼吸していても、周囲に気づかれることはほとんどありません。そしてもう一つの特徴―最大の特徴―は、多くの場合、日中には症状があまりみられず、夜間の睡眠中にはっきりとその姿を現してくるからです[図Ⅰ-3-1]。

夜間の"いびき"や口呼吸がみられるからといって、日中に専門医を受診しても何も異常を指摘されないことがままあるのは、このためです。ここでは、このような鼻閉を「隠れ鼻づまり」と呼ぶことにします。

図Ⅰ-3-1